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            おむすびを持って 

                               (登った山を紹介します)

                          冠嶽

 今回も予備知識なしで向かった。
 曇りなのが残念であったが、そうそう出かけられる日もない。
 まずは串木野へ向かう。
 串木野小学校への交差点を右折して市比野方面へ。
 途中の看板に冠嶽への案内を見つけて左折。
 ず〜っと登っていくと、大きな像が目の前に現れた。
 有名な徐福の像である。
 この人が中国からやってきて、ここで宗教を広めたそうだ。

 徐福について詳しく書くことは、私には荷が重いのでパス。
 山のことを主に書きたい。
 徐福像のある公園に車を止めて、ここから登ることにした。
 しばらく階段を上る。
 写真のような観音菩薩の入ったものが、何箇所も出てくる。
 後でわかったことだが、全部で八十八箇所もある。
 オリエンテーリング的にクロスカントリートレーニングが出来るなあと思いながら歩いた。
 しばらく進むと建物が見えてきた。

 それが冒頭の写真左。
 その後ろに冠嶽が見える。
 山肌に岩が見えると、それだけでうれしくなる。
 「あの岩を登りたい」、そう思いながら登山口を探した。
 残念なことに、建物にはまったく興味が湧かない。
 人はそれぞれ、反応する対象が違う。
 私は高い崖や岩などにしか反応しない。
 適当に歩いていくと、登山口に辿り着いた。

 登山口には駐車場があった。
 知っていればここまで車で来られたのにと思いつつ、
 それでは先ほどの景色も見られなかったのだから、損したわけではない。
 歩き始めると、おせっかいなものに遭遇した。写真右の階段である。
 良かれと思ってのことなのは重々承知している。
 しかし登りにくいのは事実だ。
 土と岩の道が歩きやすい。
 いつもこの余計なお世話に困ってしまう。

 少し登ると鳥居があった。
 このような石の階段なら、まだ登りやすい。
 しばらく行くと、天狗岩と名付けられた5枚の岩の重なりに出会う。
 この場所に不自然に存在するが、人間の仕業ではないと思われることから天狗を持ってきた。
 と言われているが、別に不自然ではない。
 いろいろな山で、突然岩が現れることがある。
 下界が見たかったが、ここからは見えない。
 しばらくまた、林の中を歩く。

 あっという間に頂上に着いた。
 ここが標高516mの冠嶽、別名・西岳である。
 子供でも簡単に登れる山だ。
 拍子抜けしてしまった。
 木が切られて視界がいい。
 下界を覗くと、先ほど車を止めた徐福像のある駐車場が見える。
 さらに手前には鎮国寺。
 晴れていればなあ、と悔やまれた。

 まったく面白くない場所なので、次へ向かう。
 経の塚というところがこの西岳の東側にある。
 いったん下る。しばらく行くと見えてきた。
 あまり興味をそそる場所ではない。
 次の材木岳へ向かう。
 ここの岩は、まるで材木のような形をしている。
 この祠からいい景色が眺められる。
 明日、紹介しよう。

 写真左が、その材木みたいな岩である。
 本当に角材を重ねたような感じだ。
 この祠の下は全部材木みたいな岩で出来ている。
 写真右は先ほどの西岳。
 最近気づいたのだが、松元町からこの西岳と材木岳の頂上が見える。
 遠くに山の頂が見えると嬉しくなる。
 ああ、あそこに登ったんだなあって。
 ここからまた、来た道を引き返す。

 最初に目に入ったあの崖はどこだろう。
 とにかくあの崖だけは見ておきたい。
 よじ登れるかどうかはわからないが。
 西岳の頂上から少し降りたところから、林の中へ入っていった。
 とても急な斜面である。
 何かを掴んでいないと落ちてしまう。
 横へ横へ移動する。
 あっ、この岩だ、下から見えていたのは。

 矢印の岩が、この岩である。
 近くまで行って初めて、登ることはできないのがわかった。残念。
 元の道へ引き返し始めたとき、恐怖のそれは起きた。
 写真右のような場所を今度は左へ移動していったのだが。
 支えに掴んだ木が、ポキッと折れた。
 体は空中を2mほど下へ飛んだ。
 そして、木に引っかかって止まった。
 もし岩だったら今頃ミイラになって、誰にも見つからずにまだそこにいるだろう。

 ミイラにならなかった私は、いつものように山を駆け下りた。
 なんだ、これだけの山か。さあ、帰ろう。
 でもなんか違うよなあ。これだけのはずがない。
 もう一度案内看板を見てみた。冠嶽神社というものがある。
 とりあえず行ってみよう。
 その行動は正しかった。
 きれいな親水公園の近くに、その神社はあった。
 そしてその奥に、私を魅了する崖が待っていたのである。

 不動尊洞を早く紹介したいのだが、せくのはやめよう。
 多分、この崖を登れる人はそんなに多くないだろう。
 登るのはまだいい。降りられないのだ。
 が、その話は後にして、なんやかんや紹介していこう。
 まずは坊主墓。
 解説しなくてもいいように、案内板を写真に撮ってきた。
 らくちんだな、こりゃ。
 小さな川が流れていて、ここはその西側にある。

 夫婦岩というものがあった。
 見ていても何も感じない。
 取って付けたような感じだ。
 少し行くと右の写真の看板があった。
 登ったはいいものの、降りられなくなったとある。
 えへへへ、それだよそれ。待ってました!
 ワクワクしつつ、足を踏み出す。
 詳しくは明日。

 まずはこの石段を登る。
 すると小さな洞窟があり、そこに像がまつられている。
 不動明王像なのだろうか。
 まったく関心がないのでわからない。
 私の興味を引くのは、その手前に見える金属だ。
 U字型をしたこの金属は、ずっと上まで続いている。
 ここに足をかけ、手で掴み、上へ上へと登っていけるのだ。
 普通なら「危険ですから登らないで下さい」と書くところだろう。
 ところがここでは違う。
 わざわざ登る為に、足場が用意されているのだ。

 ほぼ垂直である。だいぶ上まで続いている。
 まずはこのステップの埋め込み具合を見てみる。
 ステンレスの太く丈夫な素材で出来ていて、しっかり深く埋め込まれている。
 間隔も広すぎず、狭すぎず、いい感じだ。
 あえていえば、もっとステップは小さくてもよかったかもしれない。
 降りるときにステップから内側に足を滑らせたら、ステップの中に入ってしまう。これは危ない。
 しかしそれよりも、登れることの方が嬉しいのはいうまでもない。
 慎重に登っていくと、もうひとつの洞窟があった。
 迫力ある不動明王の像が、よくここまで来られたなと迎えてくれた。

 この洞窟がどんな場所に位置するのかを紹介しよう。
 一帯は写真左のような岩山である。
 その中腹に、この洞窟はある。
 ここに像は祭られている。
 実はステップがなくてもなんとか登れる。
 しかし、降りるのは容易ではないだろう。
 恐怖に打ち勝つ必要がある。
 こんな素晴らしい崖に巡り合えて、とてもうれしい。

 いつも思うことだが、高いところから真下を撮っても怖さは伝わらない。
 それでもあえて、紹介しよう。
 下を覗くと、体のある部分がキュンと縮む。
 降りるときのコツは、けっして下を見ないこと。
 体がすくんだ瞬間に、何も出来なくなる。
 怖さを味わう為には、怖さを直視しないことだ。
 怖いんだろうなあと想像しながら、上を見て降りていく。
 ヤッセンボにはヤッセンボのやり方がある。

 が、このくらいのところでは、そう怖くはない。
 あっさりと降りて、次へ向かう。
 この場所の紹介は、また画像を見てもらうことで省略。
 今度は鉄の階段が待っていた。
 私としては、打ち込まれたステップを登るのでもよかったのだが。
 登りきるとすぐ、写真右の祠が現れた。
 先ほどの像とは全然違うおもむきだ。
 洞窟はまだあちこちにあるのかもしれない。

 ここにはまるでアメリカを思わせるようなものがある。
 雨量が多いときの為だろう、堰が作られている。
 どこから見ても人工物なのだが、うまくまわりに溶け込まそうという努力はうかがえる。
 ぽかぽか陽気の日に、ここでのんびりするのは悪くない。
 あまり知られていないのか、訪れる人はまばらである。
 人を集めるということは、なかなか簡単にはいかない。
 うまくいくのは最初だけだ。
 継続は、どんなものにおいても難しい。

 さあこれで全部見たなと思い、帰路についた。
 全体を見渡せる写真を一枚撮ろうと車を止め振り返ると、岩が見える。
 何だあの岩は?
 このまま帰るわけにはいかない。
 引き返して車を元の位置に止めた。
 テクテク歩いていくと、護摩岩の案内板がある。
 楽に登れそうな岩ではあるが、景色がよさそうだ。
 あのまま帰らずによかった。

 まずは急な崖が現れる。
 といっても簡単に登れる崖なのだが、親切に鉄のはしごが架けてある。
 そこに突っ込みを入れると嫌われそうなので、パス。
 来てよかった。全体が見渡せる。
 先ほど登った不動明王像のある岩が、ここからよく見える。
 山全体の画像は、ここから撮った。
 石でできた椅子も用意されている。
 ここでおむすびを食べるのが一番かもしれない。

 護摩岩から下を眺めると、公園が見える。
 ここでなにかイベントをやっても面白いと思う。
 初めに述べたオリエンテーリングなども、とても楽しいのではなかろうか。
 八十八箇所を巡るピクニックである。
 西岳の頂上からは、金峰山や藺牟田池の外輪山が見える。
 桜島も見える。
 タイムを競うレースに出るのはとても楽しいが、のんびり歩くのもまた楽しい。
 次に訪れるときには、若い女の子と一緒がいいな。(また病がデオタド・・)

               おわり

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