登った山々 | 金峰山 |
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磯間嶽 | |
桜島北岳 | |
亀ヶ丘1 | |
亀ヶ丘2 | |
野間岳 | |
竹山 | |
錫山・立神 | |
開聞岳 | |
冠嶽 |
磯間嶽は、大浦町と旧加世田市津貫の境に位置する。
標高は363m。
先日の金峰山が636m。
覚えやすい。
頂上からは大浦町が見渡せる。
絶景である。
しかし、絶壁である。
登るのには、勇気がいる。
津貫側からだと、道に車を止めて20分も登ればいい。
大浦側からだと、30分以上かかるだろう。
大きな絶壁に辿り着く前に、つい微笑みたくなるような岩に出会う。
人形岩だ。
ここからこの前登った金峰山や、開聞岳が望める。
長屋山も目の前だ。
よく見てもらえば分かるが、礫岩である。
石が砂や泥と一緒に固まったもの。
この山は一緒に行きませんかと勧めたくはない。
あまりにも危険度が高いからだ。
恐怖心を押し殺して登れたとしても、降りる時に足がすくんで動けない可能性がある。
慣れた人にはなんでもない場所だが、初めての人はきっと躊躇する。
私は人工の崖登りはやったことがないが、自信はある。
本能で分かるのだが、3点をしっかり確保しないと次へ進んではいけない。
2点だけではとても危険である。
わたしはとてもやっせんぼだが、その分慎重になるので、確実に進める。
鹿児島山岳会の方々により、登りやすいようにチェーンが設けられている。
私は使いたくないので、左の斜面を自力で登る。
礫岩でできているということは、石が剥がれ落ちやすいということでもある。
慎重に慎重に、全体重をかけても剥がれないかを確かめながら、一歩一歩上を目指す。
この時、下を見てはいけない。
怖さが増すだけだ。
ひたすら上を見る。
ほんの十数メートル登るだけである。
岩にへばりつきながら10mくらい登ると、もうそこは頂上。
あっという間である。
しかし初めての人には、とても長い恐怖の時間に感じるだろう。
白い標(しるべ)が立っている。
「磯間嶽」とも「磯間岳」ともいう。
頂上の幅は狭い。
ここから北の峰へ狭い道が10mと少し続く。
両側は絶壁。足がすくむ。
頂上に立つ。この気持ちは独特である。
目の前に大浦のまちが広がる。
小さなまちだが、とても魅力的なところだ。
それはこれから少しずつ、機会を見つけて紹介していきたい。
眼下には中国・桂林のような風景が見える。
登ってみたいが、この場所よりも難しいだろう。
そういえば30代で、この山を北側から登ったなあ。
今思うと、「ボッケモン」である。ぞっとする。
右の画像は、磯間嶽を西側から見たところ。
山の左側が北になる。
ここを昔、登った。
途中で手掛かりも足掛かりもなくなり
岩にへばりついている植物をつかんで、かろうじて登った。
怖くて下へは引き返せなかったのである。
登山は下山する時のほうが怖い。
だから初心者には、画像左のようなチェーンはとてもありがたい。
磯間嶽は二つの頂を持つ。
高いほうに今登った。
さあ、ここから降りよう。
チェーンが張ってあるとはいえ、ご覧のとおり急な崖を降りなければならない。
下を見てはいけない。
怖がりの人は、一歩も進めなくなる。
足元だけを確認しながら降りよう。
しっかりとチェーンを持って。
折角だから、隣の峰にも登ろう。
ここは初めてだ。
どこから登ろうかとぐるっとまわってみるが、ここしかない。
画像では少しエロチックに見えるこの場所から、上に向かう。
木の根が剥き出しで、こんなに伸びるのかと感心する。
こんなところを登るのは、最高に楽しい。
あっという間に頂上に辿り着く。
先ほど登った隣の峰を写真に収めようとするが、フレームに入りきらない。
画像は明日紹介。
隣の頂が近すぎて、3枚シャッターを切って、やっと全体が入った。
堂々とした構えである。
ここから西側へ、この礫岩が続いている。
亀ヶ丘もそうだ。そのうち紹介したい。
今回、撮り損ねた場所がある。
すっかり忘れていて後で思い出したのだが、祠(ほこら)があるのだ。
高いほうの頂の西側の付け根に、直径1mに満たない穴が開いて、奥まで続いている。
そこには昔、珪化木があり、40年ほど前ブームで掘り起こされたのだ。
珪化木とは倒れた木の上に土砂が積み重なり、長い間に石のように硬くなったもの。
とても綺麗な黄色から緑へと繋がる色をしている。
全部掘り尽くされてしまって、穴だけがぽっかり開いている。
その穴の前に木で作った祠があり、近くには心を持っていそうな立派な木が静かに立っているのだ。
おわり
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