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            おむすびを持って 

                               (登った山を紹介します)

                          開聞岳

 快晴の日曜日。
 前日の天気予報で、今日の晴れは確信していた。
 急いでおむすびを作りお茶を入れて、車に乗った。
 行き先は開聞岳。
 駐車場に着くと、車はまだ数台だ。
 きょうはのんびりと登ろう。
 光の具合がとてもいい。
 登山口へ向かう途中のグラウンドから、美人の開聞岳の肢体を眺めることができる。
 もうここで大満足である。素晴らしい!

 ここが登山道の入口である。
 登るのに要する時間の目安が書いてある。
 成人で2時間半。
 3度目の登山であるが、1回目は午後から、2回目は暗いうちに登り始めた。
 今回は8時半。
 やっときれいな画像を撮れそうである。
 登山道入口はもう2合目である。
 しばらくは林の中を進む。

 4合目に辿り着く。木製のベンチがあった。
 休むことなど全く考えられない。
 全然疲れていない。息も切れていない。
 木製の階段が途中によく出てくる。
 昭和の皇太子、すなわち現在の天皇が昭和63年に登られた時、作られたものだ。
 おい、それは皇太子に対して失礼ではないか!と思う向きもあるかもしれないが、そうではない。
 御付きの者も一緒に登らなければならない。
 彼らにとって、登山はとても大変なのだ。

 初心者は5合目で救われる。
 絶景が突然広がるのだ。
 池田湖・指宿・山川が、眼下に見渡せる。
 ここでゆっくり休憩するのがいい。
 遠くには大隅半島も見える。
 春に登った竹山も、かすんではいるが確かに見える。
 大山や利永の家並みも見える。
 池田湖の向こうには、うっすらと桜島も。それは明日。

 ここからはごろごろとした岩が多くなる。
 6合目から7合目まで、ひたすら景色の見えない一本道を歩く。
 小さい頃、海岸の岩の上をピョンピョン飛び跳ねて遊んでいたので、ここの岩は気にならない。
 7合目に辿り着くと、眼下にまたきれいな風景が広がる。
 写真右は脇崎という岩場だ。
 真下に見える。
 大隅半島の佐多岬、馬毛島、種子島も見える。
 川尻の漁港も真下だ。写真は明日。

 この7合目を過ぎた地点の岩場あたりから、道が険しくなる。
 木もこのあたりから潅木になる。
 遠くに硫黄島が見える。写真右だ。
 かすんでいるので見づらいが。
 頂上で、福岡から来たという年配の方と話をした。
 いやあ屋久島が見えましたねえ、と言われた。
 いえ、あれは硫黄島です、距離が違うんですよ、と説明。
 後から来た男性も、屋久島だと勘違いしていた。
 結構そんな方が多いのかもしれない。

 登山道には何ヶ所か、救助ポイントが設けてある。怪我をした人のためのものだ。
 地元の消防署が対応してくれることになっている。ヘリコプターが駆けつけるそうだ。
 登山者は迷惑をかけないように、気をつけて登らなければならない。
 最近の日本の山では、高い山での準備不足の初心者の事故や、自己中心的な登山者のために、迷惑な出動が多いそうだ。
 登山者のレベルが、確実に落ちている。
 指宿菜の花マラソンでもそうだが、走ってはいけない人が走っている。主催者にも責任があるのだが。
 写真右は、仙人洞。
 修行の山伏が、ここで修行をしたといわれている。

 8合目に辿り着く前に、早速ロープを用意された岩場が出てくる。
 私は基本的に、用意されたロープや鎖、階段などは一切使わない。
 この場も全く問題なく通過。
 8合目まで来た。
 もうすぐ素晴らしい景色が広がることが分かっているので、ワクワクしてくる。
 あと800mか。

 しばらく進むとまたロープが垂らしてある。
 ここも急な岩場になっている。
 私は使わないが、本当に親切である。
 日本人特有のものだろうか?
 9合目の標が見えてきた。
 あと400mで頂上だという。
 その前にびっくりする景色が飛び込んでくるんだよなあ、初めての人には。
 3回目の私も楽しみにしている。

 開聞岳の西側にあたる場所へ出る。
 急に視界が開ける。
 視線は真下へ。
 感嘆の瞬間である。
 まるで地図を見ているようだ。
 いや、地図がこの景色の通りに書いてあるのだが。
 鳥になったような、飛行機に乗ったような、少し誇らしげな気持ちになる。
 無意識のうちにだが、生きている素晴らしさを心と体が感じる瞬間なのだ。

 左の写真の岩場のところに、望比公園がある。
 ここはあとで紹介したい。
 右の写真は物袋の街並みである。
 「ものぶくろ」ではない。「もって」と読む。
 鹿児島の地名は面白い。
 笠沙町にも「大崩」と書いて、「うぐえ」と読む場所がある。
 おっと脱線。
 頂上に着く前にこんな素晴らしい景色が見られるなんて。
 山頂からの景色が、楽しみである。

 下界を見るのは実に楽しい。
 しばらくは景色を楽しんでもらおう。
 崖の上にある「多宝仏塔」も、ここからよく見えている。
 現在は門が閉まっているが。
 昨日の写真に矢筈岳も見える。
 機会があったら登りたい山である。
 明日も、ここからの景色を見てもらおう。

 山の角度がよく分かる。
 かすかに見えるのは池田湖。
 右は望比公園のある海岸。
 人間がいたらわかる。
 真下に海が見える山が、日本にいくつあるだろう。
 開聞岳は鹿児島県が全国に誇っていい山である。
 ただ、もう少し手を加えて欲しいところがある。
 それは追って。

 今日までは不鮮明な画像を我慢して頂きたい。
 左が野間岳、右が金峰山である。
 上記2山から見た画像を掲載したので、こちらからの画像も載せておきたい。
 さあ、いよいよ頂上へ向かって歩を進めよう。

 急な崖が現れる。
 ところがここにはなんとなんと、木の階段が設置してあるのである。
 登山者の安全の為に、公的なところが設置したのであろうか。
 それとも山岳会の方々が板を持って登り、トンチンカンチンされて作られたのであろうか。
 ありがたいことである。
 ただし、わたしはいつもこの階段の右側の崖をよじ登る。
 それじゃなきゃ、私にとっては登山ではない。
 それはともかく子供たちも登るのだから、この階段はとても役に立っている。
 なければここで引き返すしかない人も出てくるくらい、急なのだ。
 右の写真は、階段の上から下を見て撮ったもの。
 少しは怖さが伝わるだろうか。

 この画像だけでどこだか分かる人はいるだろうか。
 真ん中に見える白い建物は、池田小学校である。
 ということは、後ろに控える崖のような山々は、鬼門平である。
 標高306m。
 菜の花マラソンの5kmくらいから見えるこの山は、一度訪れてみたい。
 頂上に平らな場所があるように見える。
 右の写真には桜島と金峰山が、かすかに写っている。
 ここは階段を登ってすぐの岩場である。

 ここが救助の第1ポイントである。
 頂上まであと100mくらいの地点だ。
 素晴らしいシステムだなあと思う。
 安心して山に登れるのはありがたい。
 カメラのレンズを伸ばしてみると、駐車場付近の様子がよく分かる。
 近くの野球場の選手の姿も確認できる。
 さあ、もう少しで頂上だ。

 最後の岩場を登る。
 そんなに困難な坂ではない。
 一歩一歩確実に足を置いて登ればいい。
 標識が、あと52mだと教えてくれる。
 大きな岩が目の前に現れる。
 これが頂上の岩だ。
 標高924m、もしくは922mである。
 どちらでもいい。

 到着すると、福岡から来たという方が休憩していた。
 夜、福岡を発って来たそうである。
 あれこれと話をした。
 温泉にも入って帰りたいと言われるので、いくつか紹介した。
 もちろんここから見渡せる山々もすべて教えてあげた。
 とてもいいガイドになったことだろう。
 池田湖が、いいね。

 その後も続々と登山者が登ってくる。
 彼が立っている後ろの岩に注目。
 右の写真を見て頂きたい。
 矢印をつけた岩が、彼の後ろの岩である。
 そう、頂上の様子は少しだけ下界から伺えるのだ。

 山頂に神社のある山は多い。
 ここは「御嶽神社」とある。
 私はまったく神仏に縁を感じたくないので、手を合わせる事はしない。
 何て奴だい、と思われる向きもあるかもしれないが・・
 次々と登山者が登ってくる。
 ご覧の通り、小学生にも簡単に登れる山である。
 でも登り甲斐はある。
 女の子が座っているところが、頂上である。
 明日は頂上からの画像を見てもらおう。

 あっという間に頂上は人でいっぱいになってきた。
 今回はもうひとつ目的があって登った。
 東側にある岩まで、行きたかったのだ。
 道がどこかにあるかもしれないと、しばらく探し回った。
 潅木の間を這ってさまよったりもしてみた。しかしとうとう、見つからなかった。
 行政にお願いがある。是非、東側の岩までの道を作って欲しい。
 あそこからの眺望は、えも言われぬはずだ。
 登山者の喜びは、計り知れない。

 下山はあっという間だった。
 前回は走って降りてしまったのでゆっくり降りようと思ったが、駄目だった。
 どうしてもスピードが上がってしまう。
 初めに山頂を見上げた芝生の公園で、お昼にした。
 もちろんいつものでっかい海苔おむすびである。
 ペットボトルにお茶も入れて。
 とても楽しいひとときであった。
 さて帰りに、望比公園に寄っていこうか。

               おわり

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