登った山々 | 金峰山 |
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磯間嶽 | |
桜島北岳 | |
亀ヶ丘1 | |
亀ヶ丘2 | |
野間岳 | |
竹山 | |
錫山・立神 | |
開聞岳 | |
冠嶽 |
前回の亀ヶ丘は、実は亀ヶ丘ではない。
このあたりを総称して亀ヶ丘というのだが、本当は亀の頭と甲羅の部分は、他にある。
その亀の頭の部分が、今回登る岩である。
大浦干拓辺りから見てもらうと、亀の形をしていることに納得がいく。
こんな岩には誰も興味を示さないだろう。
私だけのフリークライミングの場所である。
適度な怖さがあって、なんちゅわならん。
登りつめたときに見る景色の素晴らしさ。
ひとりでじっくり楽しんだ。
前回の亀ヶ丘1で登った崖が、ここから見える。
今はパラグライダーを楽しむ人たちで賑わう。
夕日を見に訪れるカップルもある。
私はいつもひとりさびしく訪れる。
トイレで用を足し、さあ始めるとしよう。
写真右の崖の裏側を登る。
写真で見えている場所は、角度が急な上に手掛かりがなく、登ることは不可能だ。
ここも礫(れき)でできているので、ポロポロと岩が崩れていく。
磯間山からこのあたりまで、ずっと礫の地盤が続く。
その礫とはどういうものかが写真でよく分かる。
ふと生えている松を見てみると、栄養剤のビンがさしてある。
こんなところにくる人間もいるもんだ。
物好きやなあ。
さあ、ここから面白い時間が始まる。
ほとんど垂直な崖なのだが、ところどころにルートが見つかる。
それを見つけるのが楽しいのだ。
写真左で分かるように、90度に近い絶壁である。
しかしよく見てみると、登れそうなところがみつかる。
礫にはいいところもある。
表面が必ずデコボコしているのだ。
そこが手掛かりになる。
ただし慎重に。
ポロッといくことがあるからだ。
写真右はツツジ。
丁度咲き始める頃に登ったのだ。
写真左は、実際に見ると驚く。
木が岩に張り付いていた。
根を深く張れないので、横に伸ばして頑張っていたのだ。
それが雨や自分の重みで剥がされてしまった。
それでも頑張って生きている。
写真右は登れるルートを撮ったところ。
写真は平面になるのでうまく表現できていないが、ここは登れるのだ。
手掛かり、足掛かりがうまい具合にできている。
まずはここから上を目指そう。
写真左は、その地点から上を見たところ。
登っていけそうなのが分かる。
こういう地形はワクワクする。
写真右は、真下を写したもの。
まったく臨場感が伝わってこない。
とても怖いアングルなのだが。
こういう地点に立つと、ときどき飛び降りたくなる。
なんでだろう。
そのうち本当に地を蹴るんじゃなかろうか。
険しい地形がここの特徴である。
ほとんどの崖は垂直で登れない。
ここからひと山越えた東側に、素晴らしい洞窟がある。
そこでは昔、隠れ念仏が行なわれていた。
今も新しい仏様が置かれている。
写真は撮ってある。
が、町を紹介するパンフレットにも載せられていないので、私も控えている。
右の写真は久志方向を撮ったもの。
ここを登ると、いい景色が広がる。
この斜面を登りきると、大浦の街も見える。
このくらいの傾斜が大好きだ。
そしてときどき、お尻がキュンとなる斜面があればいい。
頂上のひとつ下の平坦な場所に辿り着く。
いつ来てもいい景色だ。
お?下の駐車場に人影が・・ こちらへ来そう。
若い男性が、階段を登ってくる。
挨拶を交わす。
彼と話そうと、もう一段上の頂上へ向かった。
彼は北九州から今朝、車を走らせてやってきたという。
あいにくの曇り空である。
それでもこの景色を気に入ってくれていた。
「梅雨が明けたらまたおいでよ、きっといい景色が見られるから」
私がそう言うと、彼はきっとまた来ますと言った。
名所や美味しい店を紹介し、お勧めのルートも紹介した。
私は毎日が休日でも、飽きることなくこの地を楽しむことができる。
そんなやつに限って、休みはない。
ここは桃源郷である。
下を見ると、今度はバイクが数台登ってくる。
結構みんなこの地を知っている。
夕日が沈む頃になると、アベック(古いね〜)もとい、カップルがよくやってくる。
東シナ海に沈む夕日は、なんちゅわならん。
死ぬまでに一度、グリーンフラッシュを見てみたいものだ。
登った時期は、丁度桜が咲き始めた時だ。
夏には決してこんな藪の中へは入っていかない。
秋は秋で、蜂がいるので危ない。
春ならではの、崖登りである。
おわり
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