2 現在の桜島
東西約12km、南北約10km、周囲約55km、面積約77km2の火山島
桜島は全域が鹿児島市に属し、約85%は霧島屋久国立公園に指定されています。
明治以前は2万以上であった島内の人口は、大正大噴火の影響によって9,000人以下に激減。
その後も減少が続き、1985年(昭和60年)には約8,500人、2000年(平成12年)には約6,300人、
2010年(平成22年)には約4,000人となっています。
鹿児島市街地からは桜島フェリーで約15分の距離にあります。北側一部は道路改良中で、
車で1周するには1時間程度かかります。
北岳と中岳
桜島の最高峰は北岳で標高1,117m。
山頂に直径約500mの火口があり、昭和20年代までは登ることができました。有史以来山頂火口から噴火した記録はなく、北東斜面に安永大噴火の火口があります。
中岳は標高1,060mで北岳から約900m南に位置し、有史以来噴火の記録はありません。鍋山や権現山、引ノ平と同様に南岳の寄生火山の一つです。西側斜面、南側の有村展望台、南の垂水市からの画像です。
南岳
中岳から約500m南に位置し、標高1,040m。山頂に直径約700mの火口があり、その内側に二つの小火口(A火口とB火口)を擁する。火口内にはかつて白水と呼ばれる池がありました。この火口は1955年(昭和30年)以降活発な噴火活動を続けており、山頂火口から半径2km以内は立ち入り禁止となっています。

1970年代から活発な活動をしていましたが、2003年以降は活動が低下しています。A火口とB火口があり、2001年8月時点の火口底の標高は、A火口が600m程度、B火口が580m程度でした。2004年11月にB火口の火口壁と火口縁の一部が崩落し、B火口内を埋めました。気象庁の火山活動解説資料の写真等から2006年時点でのB火口底の標高は650〜680m程度と推定されています。(参照元 国際航業グループ観測による)
南岳火口は2008年は4回、2009年と2011年は回爆発しましたが、2010年は爆発していません。
2012年に入りわずかな噴火が確認されていますが噴石を伴う爆発はありません。                
                           
昭和火口
昭和10年代に南岳火口東部斜面で活動し、1946年(昭和21)年3月には溶岩を流出させ、東側の黒神地区と南側の有村地区で集落が溶岩に埋没しました。その後活動は休止して昭和火口は南岳の噴出物で埋没し火口跡の斜面から噴気が上がるだけでしたが、2006(平成18)年6月に噴火活動を再開し、2009年から活動が活発化しています。
活動再開後しばらくは噴火回数も少なく活動期間も数日程度で経過しましたが、2009年は548回、2010年は896回、2011年は996回の爆発回数で観測史上最大値を記録しました。
南岳B火口が埋まったことで昭和火口の活動が再開したものと思われます。    次のページへ.
左:鹿児島市街地から見た桜島 中:南側の有村展望台から 右:大隅半島の海潟から