3 昭和火口の噴火撮影
2009年から活動が活発となった昭和火口ですが、活動再開の2006年当時は桜島まで撮影に訪れる人はわずかでした。噴火活動が激しくなり始めた2009年から徐々に撮影者が訪れるようになりました。
デジタル一眼レフの普及に伴いだれでも簡単に夜間撮影ができるようになり、マスコミも無人撮影装置を設置したほか、2010年には県外国外からも大勢の撮影者で島内はにぎわいました。カメラ雑誌や写真コンテスト、新聞・テレビでの報道が撮影熱に拍車をかけたようです。
デジタルカメラの技術進化
フィルム時代は一般的な感度上限は800程度で撮影データも殆ど存在せず、昭和時代に夜間の噴火を記録することは容易ではありませんでした。デジタルカメラは高感度での撮影が可能であり、写した結果がすぐに判る優れもの。初期には高感度や長時間露光はノイズを生じて実用に耐えなかったのですが、技術革新で大伸ばしをしなければ感度3200程度でも実用十分な画質になりました。中判カメラでフィルム撮影する人もいますがごく少数派です。
昭和火口の特徴
火山の斜面に開口した火口であり噴火活動が記録しやすいことです。
噴火に伴う噴石の飛散や火映現象、火山雷などの撮影にも好都合です。
前のページで書いたように南岳火口は山頂から350m程度の深い位置から噴煙を上げます。昭和50年代の活動では1m以上の噴石を有村・古里地区の海岸近くまで飛ばしています。当時は溶岩がせり上がり火口底がかなり上昇していたと思われます。
その点、昭和火口は斜面に開いていますので小規模な噴火活動でも良く見えます。
惜しいことは昭和火口は南岳東側斜面にあり、鹿児島市街地から全く見えないことです。
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