6 撮影機材など
私はニコンD200とD700の2台を常用し、レンズは28mmと80-400ズームレンズが主です。
夜間撮影での機材などについて書いてみます。

カメラ、三脚、延長コード付きのレリーズ、ワイヤレスリモコン

夜間は長時間露光となるので三脚は欠かせません。2台目のカメラ用にカーボン三脚を買いましたが、やはり軽いのは長所であり、また欠点でもあります。重しにするためにワイヤケーブルを使ってセンターポールに溶岩をぶら下げ、一部が地面に接するように長さを調整しています。宙ぶらりんにすると溶岩が揺れて三脚が安定せず逆効果になります。

レリーズは車内から撮影するときには延長コードを利用しています。最初の頃は車のドアぎりぎりに三脚を置いていたのですが、出入りに不便でした。延長コードでこの悩みは解決しましたが、窓を少し開けてレリーズコードを通すので冬場は風が入り寒いです。
ワイヤレスリモコンも便利です。1人で5〜6台のカメラを操作する人も見かけます。その時に同機種のワイヤレスリモコンがあれば一斉にシャッターが切れるわけです。中国製品が安くて便利ですが、同じ機種を使う人が近くにいると混信するのが欠点です。まれに作動不良もあります。

火山灰よけと結露防止には銀色シートやシャワーキャップなどを使う人が多いようです。車のハッチバックを持ち上げて支柱を立てて簡易テントのようにして機材を並べている人もいます。

夜間撮影では懐中電灯やヘッドランプも必要になりますが、慣れない内は手間取りがちです。夜間の光は他の撮影者には支障がありますので、機材の確認などは手早く行うようにしています。

夜間撮影テクニック
テクニックと言うほどのことではありませんが、撮影時の感度設定や露光時間、絞り、レンズなどに工夫をしています。

デジタル一眼初期には長時間露光や高感度撮影は写るだけましという感じでした。ノイズが一杯出て、蛍撮影にも挑戦しましたがいずれも不満足なままでした。ノイズ低減処理をすると、およそ1分程度は次のシャッターが切れません。これが欠点でした。

D700では感度3200撮影でも大伸ばしを目的としなければ、支障のない画質が得られます。シャッターチャンスを損なわないようにノイズ低減処理はしません。画質保持のためには感度設定は上げない方が良いとされています。しかし、夕暮れや夜明け前には感度を上げることで15分の1秒程度の撮影が可能となり薄暗い時間帯での撮影に威力を発揮します。

私は月夜の場合は感度800程度で、闇夜は1600程度です。400程度でも良く写ることがありますが、撮影直後に画像確認できますのですぐに調整できます。

画像形式をRAWで撮影する人も多いようです。ノイズ低減や画質調整などにも非常に効果的だそうですが、私のパソコンは非力なためRAW画像を読み込めずRAW画像処理に関しては、ここに全く書けないのが残念です。

絞りと露光時間も撮影画像の確認で調整できます。私はあまり絞り込まずに主に6.3以下で撮影しています。特にアップで狙う場合は別としてあまり絞り込まない方が良い結果が出るように思います。夜間なのでカメラ背面の液晶で確認する撮影画像は昼間よりもずっと明るめに感じられます。自宅パソコンでの画像と比較して明るさに慣れるまでは、露光不足に注意が必要です。

レンズの選択は迷うところです。ニコンの場合はフルサイズをFXサイズ、APSサイズをDXサイズと呼んでいます。DXサイズではレンズが35mm換算では1.5倍相当の画角となります。85mmレンズは120mm相当の画角です。黒神地区でDXサイズで28mmレンズを使うと桜島の全体が入ります。

南岳の噴火が激烈な頃ならばこの画角でちょうど良かったでしょう。現在では大きく流れる噴煙や広範囲に発生する火山雷を写し込む場合などには効果的です。夜間の噴火撮影ではレンズの良し悪しが画質に現れる感じがします。明るくて解像度の高い口径の大きなレンズが最も描写力に優れているようです。野鳥撮影などの600や800mmレンズでの画質には驚かされます。

撮影要素の中では噴火規模の予測も大切です。どの程度の大きさで噴火するのか、噴石は主にどちらに飛ぶのか、火山雷は出るのか、火口の上を主にするのか、斜面を流下する噴石を主にするのかなど様々に考えを巡らせるのも楽しいことです。撮影構図を様々に考えるとどうしても複数のカメラが必要になります。火口を画面のどこに持ってくるのかだけでも何通りもの組み合わせがあり、アップで写すのか引きで写すのか、撮影者の欲求は限りなく広がる中での選択です。
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