4 最初はほどほどの噴火
22時頃から再び噴火が始まり、強い北西の風に飛ばされて噴石が南東斜面に降り注ぎました。噴煙も量が多くて噴石を隠す勢いでした。新湯展望台からは画面右奥方向に噴石が飛ぶため画像では狭くしか写りません。桜島の噴火と違って断続的に小さな噴石が大量に降り注ぐため、露光時間30秒では斜面が真っ赤に染まり単調な画像になりました。風の影響がなければ火口から吹き上げる噴石が噴水のように写ったことでしょう。風向きが変わらず小さな噴石が一杯飛ぶだけで、類似画像だらけで23時半頃に噴火は鎮まりました。
風は依然として強くて寒さに震えました。寒いはずです、桜島撮影で着用するヒートテック下着を上下とも着け忘れ。上半身は夏と同じ半袖下着で、ズボン下も着けていませんでした。それほど撮影に熱中していたようです。自分でも滑稽です。(笑)
これ以上撮影を続けても無駄なような気がしましたが、準備は万端なので生涯に滅多に訪れない機会ですからもう少し粘ろうと自分を奮い立たせて1時間ほども待ちました。

5 大規模噴火
24時頃から再び噴火が始まりました。今度は勢いが強いようです。噴石が大きくなっているように見えますが風向きは変わらず北西のまま。中岳の方まで噴石が飛ぶのが見えます。これも似たような画像のオンパレードですが、貴重な記録になると考えズーム、縦横構図、露光時間、感度、絞りを変えて撮影を続けました。
2時過ぎからは一段と噴火の勢いが激しくなり火口上空に火柱が噴き上げて南東側だけでなく火口の西側にも噴石が飛び始めました。地鳴りや空気振動が続き、噴石が飛んでくるかもという恐怖心もありましたが、一定の激しさで噴火が続き風向きも北西のままでしたから撮影を続けました。
ついには激しい噴火に圧倒されてどのように活動を記録すればよいかも判らないようになり、いつまで噴火が続くのかマグマは無尽蔵なのかと考えながら呆然と山を見上げて撮影を続けました。噴火活動はさらに激しさを増して、火山雷も光り始めました。
噴煙の量が多いため広い範囲に火山雷が発生しました。30秒程度の露光時間では画面が赤くつぶれるため5秒程度で何カットも撮影を続け、広角レンズも利用して広範囲の火山雷を写し込みました。
月齢22下弦の月が南天にあり、不気味な濃い噴煙を照らし火山雷、噴石が闇を切り裂く異様な光景でした。

6 撮影終了
カメラはD700とD200を持参しましたが山の斜面で足場が悪く三脚1台にD700主体となりました。
噴火がいつまでも続くのでもう一台のカメラをセットする余裕もなく、結果的に電池消耗の激しいD200を使用しなかったのは正解でした。さすがの激しい噴火も4時40分頃には終息しました。夜明けが始まる中で5時半まで待機しましたが噴火はなく、帰途につきました。道路上には三脚をセットしたカメラマンが3人と見物人数名を見かけました。帰宅後画像をPCに取り込み3点を地元テレビ局画像ギャラリーに投稿しました。  next

南東斜面に降り注ぐ噴石
中腹の光は山火事