7 ネットで見る当日の撮影状況
1月26日朝方からの噴火活動をチェックしていた人や、夕方にいち早く撮影に駆けつけた人々の画像や動画が新聞やyoutubeに出ていました。
鹿児島・宮崎の各地から高く上がる噴煙の様子が記録されています。えびの高原からは韓国岳の背後に大きな噴煙が立ち上る様子が環境省のライブカメラ画像に残っています。
霧島連山を熟知し夜間に韓国岳から撮影した人も多かったようです。あの強い風と寒さの中で大変だったことだろうと思います。普段では新湯展望台が最も一般的な撮影位置ですが、後日大浪池から撮影した人もあるようです。風向きは北西でしたが、新燃岳の南側や高千穂牧場付近など、かねて知ったポイントから撮影した人も多いことでしょう。
霧島フォトギャラリーにも噴火画像が多数投稿されていますのでご覧ください。
噴火前の穏やかな新燃岳や霧島連山の情報は霧島トレッキングをご覧ください。
8 立入規制の拡大
2月1日朝方の大きな爆発で霧島市側に空気振動による窓ガラス破損などの被害が発生しました。また、新湯展望台を越えて噴石が飛散し、山火事が発生しました。警戒していた警察官が雪の固まりで小さな火事を消す様子や、大きな噴石で2mほどのクレーターができ、周囲の立木がなぎ倒され燃えている様子が生々しくテレビで報道されました。
近くに噴石が飛んできて命からがらと言うカメラマンの話も南日本新聞に出ていました。
最初は火口から2km以内が立入規制されていましたが、これが3km程度になり、ついには4kmまで規制されています。これに従って大浪池だけでなく韓国岳も登山禁止となりました。2月15日時点では林田温泉〜えびの、新湯〜高千穂河原、霧島神宮〜高千穂河原の通行止が継続中です。
9 今後の噴火活動予測
1月26日から27日にかけての大規模な噴火を第一段階とすれば、現在は時々爆発的な噴火を繰り返す第二段階に入っています。1月末に火口内に溶岩ドームがせり上がり雲仙普賢岳の悪夢が頭をよぎりましたが、溶岩は火口内に止まり温度もさめてきて平坦になっています。
このままマグマの供給が止まれば、溶岩は冷却収縮して活動は収束すると思われます。ただし、現在は火口内に溜まった溶岩が鍋に蓋を被せたような形になっています。しばらくは火山ガスが充満して蓋の隙間から爆発を繰り返す状態が続くと予測されています。
10 立入規制の解除見通し
今回の新燃岳噴火は享保年間の噴火活動と酷似していると言われています。
静まった頃に大噴火を起こすのではないかと恐れられていますが、地震計、傾斜計、航空観測や衛星監視などの態勢が整いつつありますので何らかの予兆はキャッチできると思われます。
霧島連山を愛するカメラマンとしては一日も早い活動の収束と、緑と花の復活を待ち望んでいますが火山活動は長期化が予測されており、当分は規制解除の見通しは立たない状態です。
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火口縁の突起が通称「うさぎの耳」
右の突起は3〜4階建ビルに相当する高さ
南東斜面への激しい噴石流下