ハロンを夕方に出港した「スーパースター・アクエリアス」は,翌日の正午頃,辺りに何も見あたらない殺風景な港に着岸した。
岸壁には大型バスが10台ほど待機している。我々をフエへ案内するバスだ。
船内でバスが割り当てられ,ここでも中国人客が先に下船,しばらく待たされた後,3組ほどいた日本人グループは1台のバス に集められた。ハロンと同じ日本語のできるガイドが乗っていたが,このガイドさんはごつい感じの中年男性だった。
フエは,南北に長いベトナムの中間辺りにある世界文化遺産の古都である。
港から農村風景を見ながら,フエの市街地まではバスで約1時間半の長い道のり。
ベトナムはハノイが中心地であったが,一時期1802年フランスの後押しでフエに「グエン朝」が建国された。この王朝は1884年 ベトナム全土がフランスの植民地となるまで続いた。この間の王朝の王宮を含む約2km四方の掘り割りと外壁に囲まれた四角形の 旧市街がベトナムの歴史を残している。
堀を渡って旧市街に入ると,広場の先に次の堀で囲まれた王宮があり,ベトナムの国旗が高々と掲げられていた。王宮の 中庭も広々としており,観光客を乗せて王宮内を散策するゾウが所在なげに草を食べていた。
王宮には中国人のほか韓国人,欧米人など多数の観光客で賑やかだった。
現在はこの旧市街とフォー川を隔てた向かい側に新市街が拡がり,新市街は旧市街の落ち着いた雰囲気と対照的にバイク群が行き 来している。
旧市街の王宮を散策した後,「チェンムー寺」というフォー川沿いにある七層八角形の塔のある禅宗のお寺を訪ね, ここからフォー川を観光船でゆったり40分ほど遊覧,新市街のホテルレストランで「宮廷料理」の夕食をとり,再びバスに揺られ て,「スーパースター・アクエリアス」へ戻った。
あとで地図を見ると,「アクエリアス」が停泊したフエの港湾はベトナム戦争の頃聞き覚えのある「ダナン」から山ひとつ 隔てた北側にあった。
この日,「スーパースター・アクエリアス」は,乗船して1時間後には出港「三亜」への帰路についた。
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フエ旧市街へ通ずる街路 | 街路沿いの商店 |
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旧市街に入る城壁門 | 旧市街を囲む堀 |
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皇帝が執務した王宮 | 王宮の中庭で客を待つ象さん |
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修復された王宮の建物 | フエ市内(新市街) |
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フォー川観光船発着場近く,チェンムー寺の慈悲塔 | 塔の先のチェンムー寺 |
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チェンムー寺門前の土産物店 | フォー川をクルーズする遊覧船 |