は じ め に


  アマルフィ,なんとひびきの良い名前か!!

 昨年(H21)の夏,黒田という織田裕二扮する外交官か警察官かよく分からない主人公が,イタリアで大使館を基点に誘拐事件を追うという映画「アマルフィ女神の報酬」を見るまでは,南イタリアに世界で一番美しい海岸といわれる観光地があるとは知らなかった。
 映画のあらすじの中でなぜアマルフィなのかよく分からなかったが,映し出されるアマルフィの景色は素晴らしく,印象に残った。ちなみにアマルフィという名称はギリシア神話のヘラクレスが愛した妖精の名前で,その亡がらを世界でもっとも美しい場所に埋めて永遠にその名を地名として残したものという。

 結構話題になったアマルフィ,漠然と行ってみたいとは思っていた。ところが景気低迷の折,目玉商品を探していた?旅行会社がいち早くツアーに組み込み,その作戦にまんまと嵌って,仕事が一段落し比較的休みの取りやすい12月中旬,低料金でもあったので奥さんの二つ返事の同意で行くことにした。
 申し込みも遅かったが,驚いたことに,この不況下にあって12月出発(五組)は全てキャンセル待ちの状態,かつキャンセル待ちを対象に追加日程の案内まであった。
 幸い?キャンセルがあって,希望の日程で行くことが出来た。

 イタリアは,10年ほど前に北部のミラノ,ヴェネティア,マッターホーンに行ったことがある。
 今回は,南部の@アマルフィ海岸Aポンペイ,Bヴェルサイユ宮殿に匹敵するガゼルタ王宮,C洞窟住居のマテーラ,Dとんがり屋根のアルベロベッロ,Eローマ市内,Fヴァチカン市国と,いずれも世界遺産の地を,日本からの往復を含めて7日間で回るという欲張った,というか魅力的な企画。その上アマルフィにも1泊できることになっていた。

 さすがに嘗て世界を支配したローマ帝国の末裔イタリアはすごい。国中が世界遺産といった感じである。
 ローマの街中はもとより地方のあちこちに当時を物語る建築物が残っている。

 意外だったのは,イタリアが「イタリア王国」として統一した国家になったのは1861年というごく最近?だったこと,徳川幕府の大政奉還の頃とそんなに変わらない。
都市国家間の勢力争いや近隣諸国の干渉により,ルネッサンスの最盛期でもミラノ,ヴェネティア,フィレンツエ,教皇領(ローマ),ナポリの5大勢力により分割統治されていた。        (2009.12)

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