石灰岩洞窟の町マテーラ


 イタリア半島の南部,かかとに近いところに,イタリアの世界遺産と言うにはやや趣の変わった,サッシと呼ばれる石灰岩の山をくりぬいて住居群にしている「洞窟の町マテーラ」がある。

 以前,テレビで見たときの洞窟住居はいかにも前近代的な洞窟だったが,実際に今回訪れたマテーラは違っていた。確かにひとつの石灰岩の山をくり抜いてたくさんの住宅が密集しているが,表からみると石造りの普通の家屋であり,家屋が建て込んで詰まっているとしか見えない。白で統一された住居群(サッシ)の景観は素晴らしい。
 外から見るサッシは洞穴のイメージは何処にもない。しかし,室内に入ると天井が丸く削られ,壁面も白いざらざらした石灰岩で出来ている。

 歴史的には,他民族から支配されることの繰り返しで貧しい地域だったらしいが,今はその面影はない。
 1993年世界遺産に登録され,洞窟住居を改装した五つ星のホテルや洞窟のレストランもあり冬場のオフシーズンにも拘わらず観光客で賑わっている。トルコのカッパドキアは行ったことはないが,同じような感じだろうか。


   
石灰岩の山をくり抜いて作ったサッシ地区の景観 洞窟住居群とは思えない
サッシの路地 岩石をくり抜いた路地
岩山をくり抜いた教会 サッシの路地
サッシの中心広場 洞窟レストラン
洞窟レストラン 12月というのに観光客で賑わっている
谷の向こうにあった原始的住居跡 サッシを家の装飾に

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