ことし（２００４），５月の連休，アラビア半島の先端にあるイエメンを訪れた。
周りは10人中10人「なぜイエメン」と不思議がる。
イラク情勢でアラブ社会が不穏な今，何を好きこのんでビンラディンの故郷でもあるイエメンなのか，真意が図りかねるらしい。

　興味を持ったきっかけは，４，５年前，イエメンに留学したアラビア純子さんの「みんなで覗こう，知られざるアラブ世界」を覗いてから，「この部屋を覗いたら，あなたもアラブの虜に……」その通りになってしまった。
　その後いろいろ調べる（なかなか情報がない，まともな地図さえもない）うちに，益々，不可思議な魅力のある国であることが分かってきた。

　一番の魅力は，イエメンの部族社会が，質実剛健，清廉潔白，不言実行，恥を知る文化といった，かつての薩摩藩と相通ずる気風を，今も持っているらしいことであった。
　次に，アラビアの原点として紀元前の古代アラビアが今も生活の中に残っているらしいこと。また，写真で見る石造りの建築物が素晴らしいこと。砂漠の真ん中に「摩天楼」として知られる中世以前からの高層建築群の町があるらしいこと。
　など，知れば知るほど興味がわいてくる国であった。「知る人ぞ知る」である。ネットでファンが多いことも知った。

　「何時か訪ねてみたい……」２，３年前から願望になった。
　先ずは，一人で首都のサナアに滞在するつもりで，航空便やホテル事情，国内移動の方法など情報を集めていた矢先，チャンスは突然訪れた。海外バイクツアー(道祖神)の案内と共に入っていた冊子の中に，小さく載っていた「イエメン旅行」を娘が見つけたのがはじまり。
　 　２００４年５月の連休，11日間のイエメン行は実現した。

　

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