ミ ラ ノ 市 内 遊 歩
 


 
 

ミラノ見てある記 その1

 ヴェネチアから帰った日の午後,ミラノ在住のM君に案内にされて,先ずは,鑑賞予約をしてもらったレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」のあるサンタマリア教会へ。
 見学予約時間の1時間前には,入場再確認のために窓口に予約金を払いに行かなければならない。これだけはおおらかイタリアでも厳格だった。
 
@入場までの1時間の待ち時間を利用して,ミラノの領主の居城スフォルツエスコ城見学へ,1466年完成したというこの城は蛇の紋章のスフォルツエスコ家の居城で周囲には堀があり,敵の侵入を防ぐ「跳ね橋」が架かっていた。城壁の内側には,当時の大砲用の直径30センチほどのバレーボールのような丸い石の弾が積み上げて残されていた。
 今では城の中は博物館となっており,ダ・ヴィンチが描いた天井画のほか,ミケランジェロが死の直前に制作したという「ロンダニーニのピエタ像」が展示されている。
 
A予約時間が迫り「最後の晩餐(レオナル・ド・ダビンチ 1497)」のサンタマリア・デレ・グラツィエ教会に行くと,長い人の列が出来ている。中には日本人女性もいる。キャンセル待ちの人の列だそうだ。
 入場が予約制になったのは,ことし6月頃からで,予約を知らない観光客も多いらしい。僕らはM君の予約のおかげで,並んでいる人たちをしりめに,中に入った。15分おきに20人づつ限定で,入れ替えで中に入れてくれる。ここでも日本語の案内テープを有料で貸し出しており,詳しい解説を聞くことが出来る。
 「最後の晩餐」は,かつては修道士の食堂であった大広間の壁に描かれた,キリストを中心に12人の使徒が食事をとっているお馴染みの画だ。
「この中に裏切り者がいる」とキリストが言った瞬間を描いた壁画で,描かれた人物のそれぞれの驚きや困惑の表情,背景の遠近感が本当によく表われている。
 描かれてから数100年の年数を経て,それなりに変化し,色あせているのかなと思いきや,数年前,日本のNHKが参画して復旧作業が行われ,描かれた当初の鮮やかな色彩に戻っており,最近描かれたように妙に鮮やかすぎて,はるばる見に来た我々にとって,何か複雑な感じではあった。
フラッシュはだめだが,写真はOKである。
 
B次に訪ねたのは,ミラノのシンボル「ドウオモ」。ドウオモというのは,大聖堂のことでイタリアではどこでも都市の中心にドウオモがあるが,ミラノのドウオモは初めて見た者を圧倒する壮大で華麗な建築物である。
 1386年,当時のミラノ公の命により建設されることになったゴシック様式の教会で,完成までになんと500年の歳月をかけたという。
 周囲を圧倒する大理石の大聖堂が,夕日を受けて金色に輝いていた。
内部は,高い天井の窓に鮮やかなステンドグラスがあり,そこから光を採るようになっているが,全体的に薄暗く,中央に設けられた祭壇は,荘厳そのものである。日曜日には,敬虔なカトリックの信者が多数集うのであろう。
 ドウオモ前の広場は,ここも世界中の人種で溢れていた。
 
Cこの日,M君がその家族と我々の晩餐を準備してくれた。
 案内されたのは,ペニーゾラというイタリア料理のレストラン,M君が仕事でも時々使っているらしい。
 ワインを飲みながら,でてくる料理を平らげ,良い気分になってきた。
メーンは火山スパゲティ,ヴェネチアの海鮮スパゲティに劣らず美味い。3人で2本のワインを飲み干し,次にウエイターが持ってきたのがイタリアの焼酎グラッパ,2リットルほどの大きな角瓶を持ってきて,好きなだけ飲んでくれとのこと,ワインを作るとき出来るとのことで赤と白がある。アルコール度は40度。スパゲティもワインもグラッパもベリーグッドだった。
 これまでもそうだったが,レストランの店員は全て男である。
日本のように若い女のウエートレスはいない。M君に聞くと,イタリアではレストランの店員といえども誇りを持ってやる男の仕事だそうだ。
 

ミラノ見てある記 その2

@5日目の午前,今度は自分たちだけ3人で,土産物を探すかたわら2回目のミラノ市内遊歩。
 9時ホテルを出て,電車でスカラ座前まで行き,世界3大オペラ劇場のひとつスカラ座の博物館を見学。オペラは冬場がシーズンでこの時期休演中。
 スカラ座博物館には,中学の時,音楽で習ったヴェルディの愛用したピアノや机,歴代のオペラに活躍した作曲家や指揮者の肖像画や愛用品,これまでに使われた衣装や小物,指揮棒などが展示してある。日本の扇子や天狗のお面もあった。
 オペラ座の舞台と広い客席は,黒に近い赤の色調の布張りで全体に重厚な雰囲気が漂っている。願わくばいつか,この舞台の中央辺りの席でオペラを鑑賞したいものだ。
 
Aスカラ座を出て,スカラ広場を横切り,19世紀末に建設され世界的に有名というアーケードのガレリア通りを散策,途中中心部辺りに,踏みつけてかかとで一回りすると金持ちになると言う雄牛を描いた円があり,大人も子供も順番にかかとで一点を踏みつけてグルッと回っている。その一点というのが雄牛の“金の玉”のところで,数え切れないほどの人々に踏みつけられ,表面が凹んでいた。我々もはかない願いを込めてグルッと一回転してきた。そうこうしながら一昨日も見たドウオモへ。
 途中,何組も日本人ツアーを見る。日本は国内にいると長期不況で何か暗い時代にいるような気がするが,こうしてみると結構楽しんでいる日本人が多い。僕らもだけど,……。
 
A再びドウオモ,先日見たドウオモは夕陽に映えて金色だったが,朝のドウオモは大理石が白く輝いていた。
入場料を払ってエレベータに乗り,屋上の尖塔群のある屋根の上に出る。
全てが大理石で出来ている。
 一番高い所は,約110メートル(鹿児島市の城山が標高100メートル余だったと思うが)。大きさは幅66メートル,長さ157メートル。
 下から見たとき,空へ突きだしているたくさんの尖塔(135本あるという)の先端にはそれぞれマリア像などの彫像が立っている。先端だけではない,あらゆる所に彫刻が施され,その数2,245と言う。
 工事が始まったのが1386年,完成が1887年,500年かけて完成した,まさに世界の財産といった感じである。
 よくまあ,500年もかけてこんなものを作るものだ,日本では長くて10年前後か,大阪城で何年位だろう。
 
 この日,今のうちに,取りあえず土産を買っておこうと言うことになり,デパートやM夫人お勧めのお店に行くが,いずれも休み。
ほとんどの商店が月曜日は午前中または1日中休みなのだ。イタリア人は土日はプライベートに目一杯使い,翌月曜日の午前中は出勤に備えてゆっくりする,これがイタリア流!!

旅の途中のスナップ
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